大阪・玉造に、人間関係に悩む人たちが訪れる、ちょっと変わった寺がある。別れた恋人への未練、配偶者の浮気、職場のパワハラ……。1本のエノキの木が、現代人の悩みを受け止めている。
「まだまだ勝手に関西遺産」
「悪縁を断つ寺 鎌八幡」
赤い文字に鎌のイラストを添えた看板が目を引く。ご神木のエノキの幹に刺さっているのは、無数の鎌。「境内全域撮影禁止」の掲示もあり、そこはかとなく不穏な雰囲気が漂う。
拡大する寺の前に立つ看板。赤い文字がちょっと怖い=大阪市天王寺区
近隣の親たちは、子どもに言い聞かせるのだという。「あそこは行ったらあかん」と。
マナー違反と知りつつも、許可を得て境内の絵馬の願い事を読ませてもらった。「●●と女たちの縁が全部切れますように」「隣人が引っ越しますように」「同僚の××、○○との縁を切らせて下さい」……。皆さん、なかなか深くお悩みのようで。絵馬は年間約2千枚売れるという。
拡大する境内には鎌が書かれた絵馬が、ずらりと並ぶ=2020年4月7日午前、大阪市天王寺区、滝沢美穂子撮影(絵馬の個人情報にモザイクをかけています)
僧侶の喜多妙光さん(67)は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル